メッセージを読む
すでに、「共生」という言葉が叫ばれるようになって久しい観があります。現代において、この、多様性を尊重したうえで異なった人々が共生していこうとする「共生社会の実現」をめざすことを否定する人はいないでしょう。けれども、これは言うは易く行うは難いことの典型でもあります。支援者や教育者、研究者が「共生できている」と思っても、それは思い上がりや「強者の独りよがり」であることが避けられません。
大妻女子大学人間関係学部は1999年に設立されて以来、上記のような「共生社会の実現」を教育研究の目的に掲げ、社会学、心理学、社会福祉学の3つの学問領域から、共生社会の実現に資する人材養成と研究を行ってきました。けれども、本当の意味で正しくそれが推進できているかを改めて問い直す必要性を強く感じました。また共生社会の実現を阻んでいるものは何なのか、その文化的・社会的・心理的要因も含めて、まだまだ明らかにしなければいけないことが山積しているとも実感していました。このような思いから、2019年の学部設立20周年の節目で、共生社会文化研究所を設立いたしました。
以来数年が経過しましたが、コロナ禍の影響もあり、まだまだ研究所としては模索状態です。言葉を変えれば、まだ無限の可能性を持った状態とも言えます。大学内外を問わず、近隣社会からも、多くのご指導ご鞭撻を賜り、研究・研修・啓蒙活動に邁進していきたいと願っております。
どうかよろしくお願いいたします。